『片田舎のおっさん、剣聖になる』は、片田舎で剣術を教えるおっさんが、立派に育った弟子たちに担ぎ上げられていく痛快な剣術ファンタジーです。略称は「おっさん剣聖」。この記事では、作品の基本情報とあらすじ、そして主人公ベリルを中心とした個性豊かな登場人物たちを紹介します。2025年からはテレビアニメも放送され、第1期に続いて第2期の放送も予定されている注目作です。
作品のきほん
原作は佐賀崎しげるによるライトノベルで、イラストは鍋島テツヒロが手がけています。小説投稿サイト「小説家になろう」で連載が始まり、書籍版はSQEXノベル(スクウェア・エニックス)から刊行されています。
人気は着実に広がっており、コミカライズやスピンオフを含めたシリーズ累計部数は800万部を突破。乍藤和樹の作画によるコミカライズ版は、電子雑誌『どこでもヤングチャンピオン』(秋田書店)で連載され、「ピッコマAWARD 2023」のマンガ部門を受賞、さらに「全国書店員が選んだおすすめコミック2024」でも13位を獲得しました。漫画版は原作小説とはストーリー展開が異なる部分もあります。
スピンオフ漫画も広がっており、空路恵の作画・渡辺樹の構成による『はじまりの魔法剣士』(マンガUP!)、ハザマササミの作画・四谷ゼンジの構成による『竜双剣の軌跡』(ヤングガンガン)が連載されています。
テレビアニメは監督を鹿住朗生、シリーズ構成を岡田邦彦、キャラクターデザインを早坂皐月、音楽を高梨康治が担当。アニメーション制作はパッショーネとハヤブサフィルムで、テレビ朝日系列ほかで放送されています。第1期に続き、第2期の放送も予定されています。
あらすじ(ネタバレ控えめ)
ビデン村の片田舎の道場で剣術の師範を務めるベリル・ガーデナント。ある日、首都で王国騎士団の団長となったかつての教え子アリューシア・シトラスが訪ねてきて、ベリルが騎士団の特別指南役に指名されたことを伝えます。
自分に大役が務まるのかと不安を抱くベリル。騎士団員たちも当初はその実力を疑っていましたが、副団長ヘンブリッツとの勝負に勝利したことで、周囲にもベリルの本当の強さが浸透していきます。魔法師団に入った弟子フィッセルとの再会、冒険者ギルドで活躍する弟子スレナとの共闘など、大成した弟子たちに囲まれながら、ベリルの「片田舎の剣聖」としての日々が動き出します。
主要人物
ベリル・ガーデナント
本作の主人公で、ビデン村の道場で剣術師範を務める中年男性(小説版での年齢は45歳)。自己評価が非常に低く、自身を「しがないおっさん」と自嘲しますが、都では弟子たちが強さを広めた結果「片田舎の剣聖」と呼ばれるほどの実力者です。剣術、特に一対一の腕前は群を抜いており、相手の動きを瞬時に見切って対応する「後の先」の剣を得意とします。「勝つ必要はないが、決して負けない」を徹底した見切りの技術は、弟子のアリューシアをして誰にも真似できないと言わしめるほど。朴訥として鷹揚な性格で、酒場でエールを一杯引っ掛けるのが何よりの楽しみです。
アリューシア・シトラス
ベリルの弟子で、レベリス王国・レベリオ騎士団の団長。碧眼に銀髪のストレートロングヘアが特徴です。幼くしてベリルのもとで修行を始め、16歳で免許皆伝を受けました。騎士団史上最年少で団長にまで昇り詰めた俊英で、いつ斬られたか悟らせぬ剣筋から「神速」の二つ名を持ちます。その剣質はベリルの後の先を最も色濃く受け継いでいます。普段は泰然自若とした威厳ある団長ですが、ベリルに対しては師弟を超えた特別な感情を抱いており、思わず感情的になる一面も。ベリルと同じくエールが好物です。
スレナ・リサンデラ
ベリルの弟子で、冒険者ギルド最高ランク「ブラックランク」の実力者。自ら討伐した竜の素材から鍛った剣を使うことから「竜双剣」の二つ名を持つ双剣使いです。相手が失血するまで斬撃を加え続けられる無尽蔵の体力が持ち味で、手数が必要な大型の魔物との戦いでは代えの効かない存在。赤い瞳に赤い髪をポニーテールで束ねた長身の女性です。幼い頃に旅の道中でモンスターに両親を亡くし、ベリルに拾われて剣術を教わりました。アリューシアとは普段いがみ合いつつも、互いの実力を認め合う間柄です。
フィッセル・ハーベラー
ベリルの弟子で、杖ではなく剣を媒介に発動する「剣魔法」の希少な使い手。魔法師団のエースとして名を馳せ、魔術師学院で剣魔法の講師も兼任しています。黒髪ストレートのセミロングヘアが特徴。剣術はベリルに、魔術はルーシーに師事し、自身を誰よりも恵まれた人間だと自負しています。一日千本の素振りをやり遂げるほどの努力家で、その卓越した実力は本人の弛まぬ鍛錬と才能に支えられています。
クルニ・クルーシエル
ベリルの弟子で、明朗快活な騎士団のムードメーカー。語尾に「っす」が付く話し方をします。女子としても小柄な身体ながら膂力に優れ、相手の間合いの内側に入る超接近戦を得意とするパワータイプの剣士。リーチの差を突かれて行き詰まっていたところ、ベリルのアドバイスで得物を両手剣(ツヴァイヘンダー)に替え、弱点を克服しつつあります。
レベリオ騎士団・魔法師団の面々
ヘンブリッツ・ドラウト
レベリオ騎士団の副団長で、クルニ以上に膂力に優れた「轟剣」の二つ名を持つ騎士。剛剣による攻撃重視の剣技を得意とし、特に得意技の回転斬りは、有効間合いで受ければ防御も回避も不可能と謳われるほどの威力を誇ります。王国のならず者の間には「神速と轟剣とだけは決して戦うな」という共通認識があるほど。当初はベリルを訝しがっていましたが、模擬戦で敗れたことから彼を見直します。
ルーシー・ダイアモンド
フィッセルの魔術の師匠で、魔法師団の団長。金髪ロングの少女のような見た目ですが、話し方は壮年の女性そのもので、一人称は「わし」。魔術力・魔力量ともに図抜けた人物で、杖などの媒介を用いずに魔法を連発したり、同時に三つの魔術を行使したりと離れ業を披露します。ベリルの噂を聞いて自ら勝負を挑み、その実力を体感して以降は、互いに呼び捨てで呼び合う悪友のような関係になりました。
ベリルを支える人々
バルデル・ガスプ
ベリルの弟子で、鍛冶師。クルニやフィッセルと同期にあたり、鍛冶の修行中に剣を学ぼうと道場に通っていました。握手するだけで相手の剣の傾向や体調まで察するほど鍛冶師としての能力が高く、ベリルがその腕に相応しい剣を使えばどこまで行けるかと常々考えていました。スレナからの依頼もあり、ベリルのための新しい剣を鍛ちます。
ミュイ・フレイア
魔力を持つ少女。孤児となった後にベリルに保護され、魔力持ちであることからルーシーの口利きもあってベリルと同じ家で暮らすようになります。後に魔術師学院に入学し、剣魔法を選択してベリルの指導も受け始めました。育ちの影響で当初は粗暴な口調でしたが、学院入学後は徐々に改まっていきます。ただし、ベリルのことだけは「おっさん」と呼び続けています。
モルデア・ガーデナント
ベリルの父で、道場の先代師範。息子を厳しく育てた結果、彼の自己評価が低くなってしまったことを気にしています。ベリルにとっては一度も勝てなかった「越えられない壁」であり最強の剣士。アリューシアがベリルを特別指南役に選んだことを利用し、彼を道場から送り出しました。孫の顔を見ることも諦めておらず、ベリルに嫁取りを求めています。
まとめ
『片田舎のおっさん、剣聖になる』は、自己評価の低い一人のおっさん剣士が、立派に育った弟子たちによって少しずつ「剣聖」として認められていく物語です。ベリルの見切りの剣、アリューシアの「神速」、スレナの「竜双剣」など、それぞれの個性と強さが噛み合って、爽快な剣術ファンタジーが生まれています。
片田舎のおっさん、剣聖になるの登場人物まとめ|ベリルと弟子たちを紹介をまとめました
師匠であるベリルを中心に、騎士団・魔法師団・冒険者ギルドと、活躍の舞台はどんどん広がっていきます。アニメも放送され盛り上がりを見せる今、それぞれのキャラクターの関係性に注目しながら、ベリルと弟子たちの物語をぜひ楽しんでみてください。
















人気記事